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マンションの高齢化に対応する工夫とは

更新日:5月6日


「終の棲家」としてマンションが選ばれる中、避けて通れないのが建物の老朽化と居住者の高齢化という「二つの老い」です。江戸川区内の多くの管理組合でも、役員のなり手不足や孤独死のリスク、さらには災害時の安否確認といった深刻な課題に直面しています。しかし、その解決策は一つではありません。4月に開催された当協議会の定例会では、区内4つのマンションから、それぞれの特性を活かした先進的な取り組みが共有されました。地域と連携した防災体制の構築、規約改正による役員負担の適正化、外部専門家の活用、そして滞納問題への厳格な対応。あなたのマンションでも明日から参考にできる、高齢化社会を支えるための「管理のヒント」を詳しくレポートします。


■ 地域ぐるみの「防災・見守り」体制を構築:フェーズフリーなコミュニティ(事例1)

約1,300世帯を抱える大規模マンションの事例では、高齢化がもたらす「災害時の脆弱性」と「日常の孤立」という二つの課題に対し、組織を挙げた包括的なアプローチが紹介されました。

1. 自治会・管理組合・防災会の「三位一体」連携 このマンションの強みは、管理組合、自治会、防災会という通常は独立しがちな三組織が「システム会議」として毎月定例会を持ち、強固に連携している点です。2011年の東日本大震災を契機に、この協力体制が確立されました。

2. 安否確認の可視化:マグネットシートの活用 大規模震災時には、1軒ずつ玄関を叩いて回るには膨大な時間を要します。そこで導入されたのが「無事です!シート」です。発災時、住人が自律的に玄関ドアに貼ることで、外部から迅速に安否を視認できる仕組みです。

3. 「緊急時連絡先カード」による孤立死対策 現在、特に力を入れているのが「緊急時連絡先カード」の刷新と回収です。単なる連絡先の把握に留まらず、個人情報保護に配慮しながら「有事に誰が、誰に、どう連絡するか」のフローを明確化しています。説明会を丁寧に開催することで、回収率は約76%(約1,000世帯)という高い数字を達成しました。これにより、異変を察知した際の迅速な対応が可能となり、孤独死の早期発見や未然防止につながる「フェーズフリー(日常と非日常を分けない)」な見守り体制が構築されています。

■ 役員負担の適正化と「辞退金」による公平性の確保(事例2)

中規模マンションの事例では、高齢化に伴い「体調不良」や「介護」を理由に役員を辞退する世帯が急増し、管理組合運営が停滞しかねない危機感から生まれた、画期的な規約改正案が共有されました。

1. 役員確保の危機感と「辞退金」の導入 役員就任が心理的・実務的な負担となり、特定の居住者に業務が集中する不公平感を解消するため、同マンションでは「役員辞退金」の規定を検討しています。これは、正当な理由なく役員指名を辞退した、あるいは選任後に出席実績が伴わない場合、月額5,000円(任期24ヶ月分を一括)を納付いただくというものです。

2. 厳格かつ柔軟な免除ルール この制度の目的は制裁ではなく、あくまで「共有財産の管理への関心」を高めることです。そのため、重篤な疾病や長期介護など、真にやむを得ない事情がある場合には、理事会判断で全部または一部を免除できる仕組みも併設されています。また、提出されたプライバシー性の高い書類は理事長・副理事長のみが閲覧し、判定後は速やかに廃棄・返却するなど、個人情報保護にも最大限の配慮がなされています。

■ 専門家活用と役員資格の拡大:50年先を見据えた継承(事例3)

築50年を超える高経年マンションの事例では、住人の高齢化を「外部の力」と「親族の力」で補う、柔軟な運営手法が注目を集めました。

1. 建築士の継続的な活用 役員が高齢化すると、建物の維持管理といった専門的な議論についていくことが難しくなりがちです。ここでは10年以上前から外部の専門家(建築士)と顧問契約を結び、リフォーム申請のチェックや建物維持管理のサポートを受けています。年間約24万円という費用で役員の精神的・実務的負担を大幅に軽減し、50年以上にわたって役員の輪番制を維持することに成功しています。

2. 役員資格を「三親等」まで拡大 少子高齢化による世帯構成の変化に対応するため、来月の総会で役員資格をこれまでの「一親等(配偶者・子)」から「三親等」に拡大する規約改正を行います。甥や姪なども含め、マンション管理を担える層を広げることで、世代交代をスムーズに進める狙いがあります。

■ 運営の仕組み化と滞難問題への厳格な対応(事例4)

小規模マンションの事例からは、高齢化に伴う収入減などが懸念される中、管理運営の根幹である「管理費等の回収」をいかに徹底するか、具体的な実務が共有されました。

1. 合理的な理事選出ブロック制 賃貸住戸の増加や高齢化による免除などで特定の階に負担が偏らないよう、住戸階をブロック分けし、各ブロックから確実に1名ずつ選出する運用を行っています。また、理事報酬を階層化(役職や出席日数に応じる)することで、協力への対価を明確にしています。

2. 滞納者への迅速な法的措置 高齢化社会においては、管理費滞納がそのまま建物のスラム化に直結します。同マンションでは、滞納1ヶ月で催促状、6ヶ月で内容証明郵便、1年を目途に法的手段へ訴えるという厳格なタイムスケジュールを運用しています。過去、実際に訴訟準備段階で支払いがあったケースもあり、ルールを「形骸化させない」姿勢が、健全な管理を支えています。

【まとめ:協議会からのアドバイス】 今回の4つの事例から見えるのは、高齢化を「仕方のないこと」と諦めるのではなく、規約を時代に合わせてアップデートし、外部の専門知識や地域のコミュニティを戦略的に取り込む姿勢です。各マンションの規模や経年に応じた最適解は異なりますが、まずは自マンションの将来を「自分事」として議論し始めることが、第一歩となります。皆さんのマンションに適した取り組みを工夫して見ませんか。

 
 
 

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​江戸川区内マンション協議会は、江戸川区内にあるマンションの管理組合が加入している非営利団体です。協議会では、毎月近隣マンションの管理組合が参加し、マンション管理に関する情報交換を行っています。

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江戸川区南葛西7丁目1−21

担当:奥田

E-mail: info.manshonkyogikai@gmail.com

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