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【6月定例会】マンションのトラブルについて

更新日:6月23日


6月の定例会では、「マンションのトラブル」が主要テーマとして深く議論されました。国土交通省の「マンション総合調査」でも、居住者のマナー、建物、管理会社、近隣関係、管理組合の運営、費用負担などが主なトラブルとして挙げられ、全体的にトラブルを抱えるマンションの割合が増加傾向にあることが指摘されています。

議論は以下の6つのテーマに絞って行われました。


1.理事会・総会の運営問題

課題: 理事長や理事のなり手が見つからないことが最大の課題とされ、責任の重さ、仕事との両立の難しさ、業務内容の不明確さなどが原因の一つとしてあげられました。業務内容が漫然としていると「大変そう」という感覚が先走りし、そこから拒否感が生まれる。銀行手続きのために平日に休む必要があるといった具体的な負担も指摘されました。また、特定の住民による議論の妨害や、高齢理事の多さによるIT化の遅れ、意見対立による意思決定の停滞も運営の課題として取り上げられました。


解決策: 理事の業務内容をまとめ、引き継ぎを容易にすること、経験者をオブザーバーとして配置すること、IT活用を促進すること、そして理事長には「広く浅いマネジメント能力」と「人柄」が重要であるという意見が出ました。負担軽減の仕組み(見える化)と専門家サポート体制。総会議案の引き継ぎ事項をWBS(作業分解構造)化し、業務の継続性を確保することも提案されました。


2.居住者のルール違反

課題: 生活騒音、違法駐車・駐輪、ペット飼育の違反、共用部への私物放置、ゴミの分別違反、専有部への立ち入り拒否など多岐にわたります。特にペット禁止マンションでの飼育や、産業廃棄物の放置、外国人居住者のルール順守の難しさが問題として上がっています。


解決策: 巡回の強化、警告書の発行、住民説明会の開催、弁護士の活用が一般的な解決策です。ペットに関しては、ルール変更で「ペットの会」を設立し管理費を徴収する例や、専用エレベーターの設定、写真付きペット登録制度の導入が紹介されました。ゴミ分別や外国人居住者には、多言語でのルール配布(マンション管理業協会の多言語文例集や江戸川区の英語掲示などを活用)が有効とされました。


3.災害対応の不備

課題: 防災マニュアルの未整備、備蓄品のチェック不足、避難訓練の未実施や参加率の低下が挙げられました。

解決策: 防災マニュアルの整備、備蓄品の定期点検、年1回以上の防災訓練の定例化、住民への啓発活動が基本です。参加率向上のため、起震車や煙体験などのイベント要素を取り入れることが効果的であると事例が共有されました。地域防災計画の策定支援や助成金制度の活用も推奨されました。


4.管理費の未払い増加

課題: 半年以上続く管理費・修繕積立金の未納世帯の存在。外国人居住者におけるルール順守の難しさも未払いの一因とされました。

解決策: 口座振替の促進、多言語対応の強化、未払い状況の住民への透明な報告が有効です。現状の管理規約へ「延滞損害金」についての具体的記載の有無確認が重要。訴訟に持ち込む手前で支払われた事例や、実際に訴訟で勝訴し、遅延損害金も回収した事例が紹介され、規約に訴訟費用や遅延損害金の請求を明記することの重要性が確認されました。


5.管理会社との付き合い方

課題: 契約内容の不透明さ、担当者の属人的な優秀さへの依存と交代時の不安、提案力の不足、費用不透明性が指摘されました。管理会社の取引事例や、住民からの「カスハラ・パワハラ」が増加している現状も議論されました。また、管理会社が複数回変更されている管理組合の問題も共有されました。

解決策: 契約内容の見直しと透明性の確保(全部委託から一部委託への切り替え、複数見積もり取得)、担当者交代時の引き継ぎ強化(チェックリスト導入、履歴のデジタル化)が挙げられます。提案型で管理組合にメリットのある提案ができる管理会社を選定すること、長期修繕計画でそのレベルを判断することが推奨されました。


6.大規模修繕問題

課題: 修繕計画の不透明さや資金不足、追加機能(充電スタンド等)の検討不足。施工業者の選定における不透明性や価格の適正性、住民の合意形成の難航(特に高齢層の負担増への反発)が課題です。承認された長期修繕計画が計画通りに進まない不安も共有されました。

解決策: 長期修繕計画の見える化と全住民への共有。業者選定時の複数見積もり必須化と透明性向上、住民説明会の充実による理解促進が提案されました。長期修繕計画は「羅針盤」であり、実際の工事時期は「調査診断」で決定し、管理会社提案(時期・金額)を精査し、無駄な出費を避ける。修繕積立金の徴収方法(均等割から面積割など)の変更に関する合意形成の難しさも議論され、弁護士など第三者の活用が有効であるとの意見が出ました。


マンションが抱えるトラブルに対し、具体的な事例と解決策を共有し、実践的な知見を深める場となりました。

 
 
 

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